研究課題/領域番号 |
08407043
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
福井 仁士 九州大学, 医学部, 教授 (10038713)
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研究分担者 |
稲村 孝紀 九州大学, 医学部, 助手
池崎 清信 九州大学, 医学部, 講師 (10145360)
西尾 俊嗣 九州大学, 医学部, 講師 (10180580)
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キーワード | Peameability / Brain tumor / Chemotherapy / Bradykinin / Antisease |
研究概要 |
はじめに 我々が以前報告した、ブラディキニン内頚動脈内投与による脳腫瘍の選択的血管透過性亢進の方法が、アンチセンスオリゴの脳腫瘍内への選択的運搬が可能であるかを検討した。 材料および方法 生体内へ投与されたアンチセンスオリゴの抽出・定量法は確立しておらず、まず抽出・定量法を確立した。RG2グリオーマ培養細胞を用いてラット脳腫瘍モデルを作製し、アンチセンスオリゴの腫瘍内到達率を検討した。ブラディキニン内頚動脈投与群の対照群では生食を投与した。投与したアンチセンスオリゴはラット生体内に存在しない配列20塩基長を使用した。投与実験終了後直ちに脳組織を取り出し、腫瘍組織内と正常脳内のアンチセンスオリゴを定量した。 結果 生体内へ投与されたアンチセンスオリゴは、ます生体試料をフェノールで粗精製した後、メンブレンフィルター上に固定し、標識したアンチセンスオリゴに対するアンチセンスオリゴ(センスオリゴ)をハイブリさせ、フィルムに感光して定量を行った。 アンチセンスオリゴの腫瘍内到達率は、対照群に比ベブラディキニン投与群で約2倍の到達率を示した。正常脳ではアンチセンス到達率に差はなかった。 考察 生体試料からのアンチセンスオリゴの定量法に確立したものはなかったが、今回われわれはあらたな方法を確立した。 我々が以前報告した、ブラディキニン内頚動脈内投与による脳腫瘍の選択的血管透過性亢進の方法が、高分子化合物であるアンチセンスオリゴヌクレオチドも脳腫瘍内に選択的に運搬することを示した。次年度はこの研究をさらに進める予定である。
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