研究概要 |
1.MCP-1反応性マクロファージの分離、生体内分布の検討 (1)MCP-1高発現ラットグリオーマ細胞の樹立 SV40promoterを有するpZeoSV2とCMV promoterを有するpCEP4にラットMCP-1cDNAを組み込み、C6細胞に導入し恒常的に親株の10倍以上高発現する株を樹立した。MCP-1の発現は、培養上清中のMCP-1をELISA法にて定量した。 (2)ラットマクロファージの分離、再注入、担腫瘍ラットにおける生体内分布解析法の確立 MCP-1高発現C6細胞とC6親株を両側腹部皮下へ移植して担腫瘍ラットモデルを作成。同系Wistarラットの末梢血から白血球を分離、蛍光物質にてラベルした。これを担腫瘍ラット尾静脈より注入し、経時的に体内の注入白血球の分布を観察した結果、ほとんどの白血球が脾臓に集積することが判明した。 そこで、担腫瘍ラットの脾臓を摘出し、脾臓より自己の白血球を分離して蛍光ラベルを行い注入した。その結果、効率よく白血球が分離され、注入された白血球が腫瘍組織を含めて広く分布することが明らかとなった。 この方法により、ナイーブなT細胞や通常は末梢血中には見られない樹状細胞などを腫瘍局所に分布させること、また腫瘍免疫の成立に好都合な環境を腫瘍組織内に実現することも可能になると考えられる。 2.マクロファージのMCP-1レセプター発現のコントロール (1)MCP-1レセプタープロモーターの構造解析 マクロファージのMCP-1レセプターの発現を増加し、向MCP-1発現腫瘍性を増強させる目的で、ヒトMCP-1レセプターのプロ-モーター領域をクローニングし構造解析を行った。TATA box, CAAT boxの存在が確認されたばかりではなく,組織特異的なGATA sequennce, Oct-1 binding sequence,さらに、C/EBP consensus sequenceが認められた。
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