研究課題/領域番号 |
08407046
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
波利井 清紀 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (50111539)
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研究分担者 |
江口 智明 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
吉村 浩太郎 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60210762)
朝戸 裕貴 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (20222581)
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キーワード | 骨格筋 / モーターユニット / 等尺性収縮力 |
研究概要 |
加齢現象が筋肉の再生に与える影響を調べることを目的として当研究が計画された。1年目の平成8年度においては、主に筋の等尺性収縮力測定のための機器の製作と、他の形態学的、生化学的検索における機器の整備が行われた。また実験モデル群とcontrol群のyoungのラットに関して筋全体の等尺性収縮力測定を開始し、またadult群とold群についてラットの飼育・管理が行われている。 young(2-3 months old)のラットにおいてEDL(extensor digitorum longus)の支配神経(common peroneal nerve)を切断再縫合した群(実験モデル群)とcontrol群において、術後1、2、4、6ヶ月後(n=6〜8)に筋全体の湿性重量および等尺性収縮力の回復を調べた。その結果、control群に比べた実験モデル群の湿性重量については1ヶ月後には約80%の回復であったが、2ヶ月後には87%、4ヶ月後に90%と漸次回復率は上昇し、6ヶ月後には95%の回復をみた。筋全体の等尺性収縮力の回復は、1ヶ月後に約63%であったが、2ヶ月後に75%、4ヶ月後に87%と漸次回復率は上昇し、6ヶ月後には91%の回復をみている。ラットにおける神経再支配は形態学的には一般に約2〜3ヶ月かかって行われるとされているが、等尺性収縮力の回復を見る限りでは再神経支配された筋肉が機能的に十分な等尺性収縮力の回復を得るためにはそれ以上に時間がかかっている。youngの群では筋機能としてはまだ成長途上にあるものと考えられるため、再神経支配された筋肉もいずれ十分な機能が得られると思われるが、神経再生能力がyoung群より劣るものと考えられるadultやoldの群においては筋機能の回復過程はさらに遅れるものと推察される。2年目以降の研究でこれらのデータが得られるものと考えている。
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