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1996 年度 実績報告書

脊髄の機能的可塑性の成因及び応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08407047
研究種目

基盤研究(A)

研究機関東京大学

研究代表者

五嶋 孝博  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (20272544)

研究分担者 税田 和夫  自治医科大学, 附属病院, 助手 (20241995)
中村 耕三  東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60126133)
黒川 高秀  東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (90010298)
キーワード脊髄 / 中枢神経 / 神経解剖学 / 神経生理学 / ネコ / 可塑性 / 脊髄損傷 / 脊髄症
研究概要

ネコの脊髄におけるシナプスの側芽形成を形態学的に証明しそれを観察し解析を行った。ネコの第6頚髄神経根を切断し、その直後に第7頚髄神経根にHRPを注入して、軸索内輸送されたHRPをTMB法及びDAB法で発色させて脊髄内の軸索の走行と神経終末及び細胞体の位置を観察した。また、第6頚髄神経根切断後数カ月経過したネコで同様の実験を行った。その結果後者の方が前者よりも第6頚髄内における神経終末の数が多かった。このことにより脊髄内におけるシナプスの可塑性が証明された。神経腫瘍などにおいて神経根を切断した際に起きる麻痺と知覚障害が1年の経過で回復するが、今回の結果に対応すると考えられた。また脊髄下行路についても同様の実験を行った。ネコの脳幹並びに中脳において皮質脊髄路と赤核脊髄路にHRPを注入し頚髄においてそれぞれの軸索の終末を観察したところ、前者の方が灰白質のより腹側に終末することが分かった。延髄錐体を切断し、数カ月経過したネコの赤核脊髄路の頚髄灰白質内の神経終末を同様の方法で調べたところ、本来よりもやや腹側に終末する線維が多いことが分かった。このことは、皮質脊髄路が障害されたため、その機能の一部が新たな側芽形成により赤核脊髄路により代償されている可能性のあることを示唆するものである。以上の結果、脊髄において、シナプスの側芽形成による可塑性が存在することが明らかになった。具体的にどのような機能転換が起こっているかについては、今後行われる電気生理学的な研究によりその詳細が明らかになり、またこれらの機能転換に関わる因子も明らかにされると考えている。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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