研究概要 |
平成8年度(6月以降)から,CICR(Ca-induced Ca release)速度の測定を行ったのは23名であった.筋生検を当施設で行ったのは3例,他施設で行いク-ル宅急便で輸送されたのが20例であった.この23名の筋生検理由の内訳は、劇症悪性高熱症を発症した患者1名とその家族3名,悪性高熱症の家族歴2名,亜型悪性高熱症発症2名,術後悪性高熱症発症3名、高CPK血症5名,筋疾患2名,横紋筋融解症2名,正常コントロール3名であった.このうち,CICR速度の亢、進が認められたのは2名(劇症悪性高熱症発症1名,家族歴1名)であった.また筋疾患(緊張性筋ディストロフィー)患者1名では,CICR以外の骨格小包体のCa調節の異常の可能性が示唆された.こういう異常を検出し,異常の場所を明らかにするには,CICR速度の測定だけでは困難で,カルシウム画像解析装置を用いた骨格筋単細胞のハロタンやカフェインの感受性テストが必要であると考えられる.平成8年の12月にカルシウム画像解析装置が実働可能となったので、現在これについて,基礎実験を進めている. これら種々の検査とCICR速度の異常が認められた患者とその家族から,DNAを取り出し,骨格筋リアノジン遺伝子の連鎖解析とone point mutationの検索を行う計画である.
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