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1998 年度 実績報告書

カルシウムイオン画像解析と遺伝子解析による悪性高熱症素因のスクリーニング

研究課題

研究課題/領域番号 08407052
研究機関広島大学

研究代表者

弓削 孟文  広島大学, 医学部, 教授 (40034128)

研究分担者 大澤 恭浩  広島大学, 医学部, 助手 (00263682)
前原 康宏  広島大学, 医学部附属病院, 助手 (20238877)
藤井 宏融  広島大学, 医学部, 講師 (60034021)
河本 昌志  広島大学, 医学部, 助教授 (40127642)
キーワード悪性高熱症 / Ca-induced Ca release / 骨格筋細胞 / カルシウム動態 / 遺伝子解析
研究概要

平成10年度は,ClCR(Ca-induced Ca release)速度の測定を行ったのは18例であった.17例は筋生検後クール宅急便を利用して摘出された骨格筋を輸送され,1例は当病院に入院後に筋生検を行った.この18例の筋生検理由の内訳は,高CPK血症7例(家族性高CPK血症2例),術後悪性高熱症3例,悪性高熱症の家族歴3例,亜型悪性高熱症発症2例,筋ジストロフィーおよびその家族歴3例であった.CICR速度の亢進が認められたのは2例で,亜型悪性高熱症1例,家族性高CPK血症1例であった.悪性高熱症劇症型の症例集計は続けており,総計345例で1990年以降の死亡率は昨年度と同様14.6%であった.
カルシウム画像解析装置によるCICR測定を行った.しかし,骨格筋小胞体から放出されるカルシウムを検出するためには蛍光感受性試薬fura2が高濃度で大量に必要であった.そのうえ,従来の張力を利用した方法と同程度の時間もかかり,ランニングコストから考えてメリットは少なかった.骨格筋細胞のカルシウム動態については,ヒトの骨格筋培養細胞を用いて検討を行った.蛍光抗体法でリアノジン受容体と骨格筋細胞に認められるアクチンの発現を確認した.リアノジン受容体は筋芽細胞を低血清培地で培養後7〜9日で出現した.同時期の骨格筋培養細胞でカフェインによるカルシウム濃度の上昇とプロカインによるその抑制とアセチルコリン10-6Mによるカルシウム濃度の上昇を確認した.
今後さらに,この細胞のハロタンやダントロレンによる反応を検討後,実際に悪性高熱症疑いの患者から得られた骨格筋から筋芽細胞を培養してカルシウム動態の検討を行う予定である.
遺伝子検索につては,CICR速度の異常が認められた患者とその家族の白血球からDNAを取り出した.SSCP法で今までに報告された数カ所のone point mutationの検索中である.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 前原康宏 弓削孟文 他: "一般手術症例における術中体温変化" 麻酔と蘇生. 34・3. 182- (1998)

  • [文献書誌] 向田圭子 前原康宏 弓削孟文: "4chloro-m-cresolのヒト骨格筋CICR機構に対する影響" 麻酔と蘇生. 34・3. 183- (1998)

  • [文献書誌] 弓削孟文 前原康宏 他: "わが国の悪性高熱症の集計(1997年)" 麻酔と蘇生. 34・3. 185- (1998)

  • [文献書誌] 向田圭子 前原康宏 弓削孟文: "悪性高熱症患者のCICR(Ca-induced Ca release)速度" Journal of Anesthesia. 12・(Sup). 454- (1998)

  • [文献書誌] 向田圭子 前原康宏 弓削孟文: "劇症悪性高熱症患者の病因としての中枢性発熱の検討" 臨床麻酔学会誌. 18・8. S321- (1998)

  • [文献書誌] 弓削孟文: "優れた臨床麻酔科医となるための戦略 悪性高熱症について" 進行交易出版部, 139 (1998)

  • [文献書誌] 分担執筆 前原康宏: "専門医のための麻酔科学レビュー'98 21.悪性高熱症" 監修者 天羽敬祐 発行者 渡辺嘉之 発行所 総合医学社, 244 (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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