研究分担者 |
大澤 恭浩 広島大学, 医学部(平成11年9月30日付辞職), 助手 (00263682)
藤井 宏融 広島大学, 医学部(平成11年3月31日付辞職), 講師 (60034021)
河本 昌志 広島大学, 医学部, 助教授 (40127642)
前原 康宏 広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (20238877)
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研究概要 |
1.従来行って来たCICR(Ca-Inducede-Ca-Release)速度の生検筋スキンドファイバーを用いた検査と遺伝子解析 23名に施行したCICRテストでは、11名のf-MH患者のうち10名、5名のf-MHの家族歴を有する患者のうち3名、7名のMH類似の症状を呈した患者のうち2名の合計15名で亢進が認められた。RYR1上のC1840T変異の検索は63名のDNAについて行ったが、検出されなかった。RFLP検索ではヘテロ接合体をいくつか認めたが、CICRの亢進と関連した特異的なRFLPは認められなかった。検索した領域のヘテロ接合体の検出頻度は、従来の報告と同程度であった。家系内での遺伝子連鎖の検索では、CICR速度の亢進といくつかのRFLPにおいて連鎖のある1つのMHS家系を発見した。その家系は、35才時にf-MHを発症した男性発端者を有するもので、その長女にCICR検査を行ったところ亢進していた。RFLPによる遺伝子連鎖で、長男と長女が発端者である父親由来の遺伝子を持っていると考えられた。そこで長男もCICR亢進を認めるMHSであることが疑われたため、筋生検を施行しCICR検査を行ったところ、亢進が認められた。発端者の姪では、疑わしい遺伝子を有しておらず、CICR検査も非亢進であった。 2.カルシウム画像解析装置を使用したカルシウム解析 本研究においてCICR機構のカルシウム動態を生検筋を用いてカルシウム画像解析装置によるカルシウム動態に置き換える試みを,培養ヒト骨格筋細胞を用いたカルシウム画像解析に発展させた. ヒト骨格筋細胞(SKMC2847,Clonetics,USA)を細胞培養し,8-13日後にα-actininとリアノジン受容体を有する(モノクローナル抗体を用いて確認)myotubesを得た.このmyotubesを用いてfura-2を負荷し,カルシウム画像解析装置を用いて無刺激時の細胞内カルシウム濃度を測定した.更にハロセンを0.1mMから順に増加させ(最大2mMまで),培養骨格筋細胞内のカルシウム濃度を測定した.これをwash outした後,カフェインを0.25mMから順に増加させ(最大10mM),その結果培養骨格筋細胞内カルシウム濃度はハロセン及びカフェインの刺激に対し,濃度依存性に上昇した.またこれらの反応は細胞外からのカルシウム流入のブロッカーであるニッケルにより一部抑制され,リアノジン受容体を介するカルシウムの細胞内のブロッカーであるプロカインにより抑制された.
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