研究課題/領域番号 |
08407057
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
林 良夫 徳島大学, 歯学部, 教授 (00127854)
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研究分担者 |
羽地 則雄 徳島大学, 歯学部, 助手 (30274228)
浜野 弘規 徳島大学, 歯学部, 助手 (10238074)
中村 隆範 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (70183887)
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キーワード | Sjogren's syndrome / Animal model / Autoantigen / α-fodrin / Fusion protein / Apoptosis / Cleavage / Therapeutic effect |
研究概要 |
唾液腺自己抗原の実態を分子レベルで解明するために、モデルマウス血清中に存在する自己抗体と反応する唾液腺自己抗原タンパクをゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィーにより精製が試みられた結果、臓器特異的な120KD唾液腺抗原タンパク標品が得られた。この自己抗原タンパクはin vitroにおいてマウスTK細胞の増殖とサントカイン産生(IL-2、IFN-γ)を促進することが判明した。アミノ酸解析によってこの120KD自己抗原タンパクはヒトα-fodrinの塩基配列と一致した。得られたアミノ酸配列(N未満20mer)から合成したペプチドに対する抗体を作製し、ウェスタンブロット法、免疫組織化学により唾液腺臓器特異的な発現が確認された。更に、ヒトα-fodrin cDNAクローンからGST融合タンパクをN末端およびC末端から各種作製し、血清反応性、T細胞反応性を検討した結果、疾患モデルマウスの血清反応性、T細胞増殖能が確認された。そこで、抽出された120KD自己抗原タンパクとその融合タンパクのヒト疾患特異性を検討した結果、シェ-グレン症候群患者の血清、末梢血リンパ球とも疾患特異的な反応性を示すこと、SLEやRAなど他の自己免疫疾患患者血清とは反応しないことが判明した。さらに、このGST融合タンパクをモデルマウスに静脈内投与することによってin vivoにおけるトレランスが誘導され発症の抑制効果が認められた。以上の解析結果から、120KDα-fodrinはヒト・シェ-グレン症候群の病因と密接に関連した疾患特異的な自己抗原分子である可能性が強く示唆されている。
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