研究課題/領域番号 |
08407057
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
林 良夫 徳島大学, 歯学部, 教授 (00127854)
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研究分担者 |
柳 久美子 徳島大学, 歯学部, 助手 (90294701)
羽地 則雄 徳島大学, 歯学部, 助手 (30274228)
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キーワード | シェーグレン症候群 / 疾患モデル / NFS / sldマウス / 自己抗原 / アポトーシス / Fas抗原 / Bcl-2フアミリー / α-フォドリン |
研究概要 |
シェーグレン症候群(SS)の自己抗原として120KDα-フォドリンが同定されたことから、膜骨格蛋白α-フォドリンの限定的分断化による寛容破綻のメカニズムの解明が必要とされた。α-フオドリンはカルパインやカスパーゼによってアポトーシスに伴って分解処理されることが注目されている。疾患モデルマウスの唾液腺導管上皮細胞にはFasが、CD4陽性浸潤T細胞にFasLが高発現し、導管上皮のアポトーシスが観察された。一方、ヒト唾液腺培養細胞(HSG)を用いて抗Fas抗体とIFN-γの刺激によりアポトーシスを誘導することにより240KDα-フォドリンは120KDに分解され、カルパイン、カスパーゼ-3活性は上昇し、その特異的インヒビター処理により分断化は阻止されることが明かとなった。従って、シェーグレン症候群の標的臓器においてもアポトーシスを介したシステインプロテアーゼの活性化が膜蛋白分断化をもたらし自己抗原の形成に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。さらに、アポトーシス調節蛋白質であるBcl-2ファミリーの関与について詳細な検討を加えた。膜分画に局在するBcl-2に変化はみられなかったが、Baxは限定分解に伴って可溶性分画から膜分画へ集中し、さらにBaxとBcl-2はへテロダイマーを形成していることが判明した。以上の結果より、240KDα-フォドリンの限定的分断化にはBcl-2/Baxの関与が強く示唆された。即ち、正常なアポトーシス調節機構の破綻がα-フォドリンに自己抗原性を付与したり、シェーグレン症候群の発症を惹起している可能性が示唆された。
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