研究課題/領域番号 |
08407062
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
田上 順次 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (50171567)
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研究分担者 |
中島 正俊 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (50272604)
稲井 紀通 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70232501)
二階堂 徹 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (00251538)
大槻 昌幸 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (30203847)
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キーワード | マイクロテンサイル試験 / 歯頚部磨耗象牙質 / 齲触象牙質 / ウエットボンディング法 / レジンセメント / Er : YAGレーザー / セルフエッチングプライマー |
研究概要 |
齲触や歯頚部摩耗象牙質などの構造的、組成的変化を受けている象牙質に対して、接着性修復材料が十分な性能を発揮する方法の確立と、エナメル質への接着の再評価を行うにあたり、マイクロテンサイル試験、せん断接着試験を用い以下の研究が行われた. 1. 頚部摩耗象牙質に対する接着性修復 歯頚部摩耗象牙質に対する接着性レジンの接着強さの測定を行ったところ、健全象牙質に対する接着強さより低い値を示した。しかし、セルフエッチングプライマーを繰り返し塗布を行うことによって,接着強さは健全象牙質と変わらない値を示すことが分かった。 2. 齲触象牙質に対する接着性修復 齲触により影響を受けた象牙質に対しての接着性レジンの接着強さに、リン酸エッチング材の濃度およびウエットボンディング法の与える影響について評価した。その結果、ウエットボンデイング法を用いた場合と30%以上のリン酸を用いた場合には、接着強さが健全象牙質の場合と比較して低下することがなかった。 3. レーザー照射象牙質に対する接着性修復 齲触除去にEr:YAGレーザーを応用した場合を想定し、レーザー照射を行った象牙質面に対する接着強さの測定を行ったところ、セルフエッチングプライマーを用いるシステムの場合は低下、リン酸エッチングを行う場合は健全象牙質の場合と変化がないことが分かった。 4. 各種臨床的条件が接着性能に及ぼす影響 口腔内環境を想定した、湿度が接着に及ぼす影響について、様々な湿度条件下において接着操作を行い接着強さを測定したところ、呼気環境を模した92%の条件において接着強さの低下がみられた。 レジンセメントの接着強さに対する各種仮封材の及ぼす影響について評価したところ、セルフエッチングプライマーを用いるシステムにおいてはすべての仮封材の場合、未処理の場合に比べて接着強さは有意に低下した。HYBondテンポラリーセメントにおいては全てのレジンセメントに対し、接着強さを低下させることが分かった。 歯内治療を行った歯を想定し、各種薬液(NaOCl、H_2O_2)により処理を行い、接着強さに与える影響を調べたところ、セルフエッチングブライマーを用いたシステム以外は全ての処理において接着強さの低下がみられた。 5. 切削エナメル質と非切削エナメル質に対する接着 エナメル質の接着強さについて、切削面及び非切削表層エナメル質に対する場合について比較を行った。結果、非切削表層エナメル質に対しセルフエッチングプライマーを用いたシステムの場合、有意に低い値を示すことが分かった。
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