研究分担者 |
近藤 宏治 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (90263855)
細木 真紀 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10228421)
竹内 久裕 徳島大学, 歯学部, 助手 (10222093)
鈴木 温 徳島大学, 歯学部, 助手 (80196790)
池田 隆志 徳島大学, 歯学部, 助手 (30193204)
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研究概要 |
顎運動データには多くの情報が含まれており,これまで多くの顎運動測定器が開発されてきたが,一般の歯科診療に於いて操作が煩雑であるとか被験者を拘束する等の問題がある.当教室では磁気位相空間を応用した高精度変位計測器の開発を進めており,現在までに以下の結果が得られている。 1.一辺1800mmの立方体の磁気位相空間(BS-III)を形成することで測定空間を広くし,その中にベットを設置できるようにした.磁気位相空間の中央200×200×200mmの測定対象空間での空間分解能は10μmである.また,上下顎に装着する2次コイルは,顔弓を必要とせずまたメカニカルに連結されていないため,被験者の生理的な運動を妨げない.この磁気位相空間を用いて夜間ブラキシズムの既往のある被験者の睡眠時ブラキシズム中の6自由度顎運動を測定した. 2.診療室での顎運動測定を実現するために,1次コイルがBS-IIIより小さな測定器(CS)を製作した.一次コイルの磁芯に磁性合金を用いることで小型で高精度の磁気位相空間を形成でき,測定の際に専用の部屋を必要としない.この空間での分解能はX軸方向が4.3μm,Y軸方向が1.7μm,Z軸方向が2.5μm,Y軸回りの回転量が0.001°である.2次コイルは上下顎2個ずつを任意の位置に設置できるため,取り扱いが容易になった. 3.歯髄の状態を診断する測定器として1次コイルが唇舌側一方向の磁気位相空間を試作した.1次コイルは唇側が半径7.0mm,舌側が半径2.5mmの円形空心コイル,2次コイルは半径0.5mmの円形空心コイルである.今回は抜去歯を用いての模擬実験を行い,1400mmHgの圧力を加えたときの歯の変形量は9nmであった。
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