研究分担者 |
細木 真紀 徳島大学, 歯学部附属病院, 助手 (10228421)
竹内 久裕 徳島大学, 歯学部, 助手 (10222093)
鈴木 温 徳島大学, 歯学部, 助手 (80196790)
池田 隆志 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (30193204)
中野 雅徳 徳島大学, 歯学部, 助教授 (30136262)
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研究概要 |
磁気空間の原理を応用し顎運動から歯の運動まで測定可能な高分解能6自由度運動測定器の開発を行った.磁気空間形成用コイル(1次コイル)は直径約1000mmの円形空心コイル2個をヘルムホルツコイルに組み,それをxyz各軸に配置した構造で,磁場検出用コイル(2次コイル)は7×7×17mmの大きさで重量は2.9gであった.2次コイルを1次コイルの空間のほぼ中央においたときの平行移動最小分解能3.7μm,回転運動最小分解能0.00049゚であった.この測定器を用いて成人男性被験者1名の歯の運動を測定したところ,上顎右側弟一小臼歯頬側咬頭咬合時には歯は近心頬側歯根方向に143〜366μm移動し,舌側咬頭咬合時には口蓋歯根方向に71〜231μm移動していた.また,頬側咬頭咬合時には歯の舌側歯根付近に運動の収束する点すなわち回転中心が観察された. 高分解能6自由度運動測定器の電子回路部の改良および新たな2次コイルの製作を行い平行移動最小分解能1.3μm,回転運動最小分解能0.00017゚の精度まで達成できた.改良した測定器を用いて成人男性被験者3名の上顎右側第一小臼歯の歯の運動,顎運動,咬合力の同時測定を行った.3名の被験者とも被験歯頬側咬頭,舌側咬頭,咬合面中央部,被験歯の前方歯である犬歯尖頭に咬合力を負荷し,被験者3名の被験歯の平均移動量は頬側咬頭咬合時で269μm,舌側咬頭咬合時で105μm,咬合面中央部咬合時で214μm,犬歯咬合時で178μmであった.各咬頭咬合時において咬合する方向により,歯の近傍に回転中心がある場合とない場合があった.
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