研究分担者 |
鈴木 温 徳島大学, 歯学部, 助手 (80196790)
池田 隆志 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (30193204)
中野 雅徳 徳島大学, 歯学部, 助教授 (30136262)
竹内 久裕 徳島大学, 歯学部, 助手 (10222093)
西川 啓介 徳島大学, 歯学部, 助手 (10202235)
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研究概要 |
磁気空間の原理を応用して微小な変位が計測可能な測定器を製作して,上顎の犬歯,第一小臼歯に咬合力を負荷したときの歯の変形を唇(頬)側面で測定した.犬歯,第一小臼歯の頬側咬頭に負荷を与えたときには短縮の,舌側咬頭に負荷を与えたときには伸長する傾向が認められた.13名の成人男性被験者について各咬頭に咬合力を負荷して測定を行ったところ,歯の変形量の中央値は,咬合力100Nあたり標点間距離1mmに換算して,犬歯-208nm,第一小臼歯頬側咬頭-171nm,第一小臼歯舌側咬頭34nmであった.また,偏心位での空口最大噛みしめ時の歯の変形量は,咬頭嵌合位に比較し有意に大きい値を示した.さらに,咬頭干渉付与時の歯の変形は大きかったのに対して,食品破砕時の歯の変形は少なく,歯に為害作用を及ぼすのは咬合異常やブラキシズムなどのパラファンクションである可能性が示唆された. 高分解能6自由度運動測定器を用いて上顎右側第一小臼歯に咬合力を負荷した際の歯の運動を測定した.歯の運動を時間経過や咬合力との関係について解析すると共に,咬合力を負荷する前(運動前)と負荷時(運動時)という2つの歯の位置関係を,1本の軸を用いて表示した.一般に物体の2つの位置関係はその軸に沿った平行移動とその軸回りの回転とで表現することができる.この軸をらせん軸というが,歯の運動についてこの軸を用いて運動前と運動時の歯の形態を表示すると,歯の形態に対して歯の運動量は小さいため理解しづらい.そこで,らせん軸に対する平行移動量と回転量を拡大する手法を用い,解りやすく表示した.
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