マルチメディアの教育利用技術に関する総合研究

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 08408005
• 研究機関: 千葉大学
• 研究代表者: 池田 宏明 千葉大学, 工学部, 教授 (00009276)
• 研究分担者: 檜垣 泰彦 千葉大学, 工学部, 助手 (30173131) ; 橋本 研也 千葉大学, 工学部, 助教授 (90134353) ; 加藤 秀雄 千葉大学, 工学部, 教授 (80009711) ; 伊藤 秀男 千葉大学, 工学部, 教授 (90042647) ; 池田 宏明 千葉大学, 工学部, 教授 (00009276)
• キーワード: マルチメディア教材開発 / ビデオオンデマンド教材 / 遠隔教育 / 生涯学習 / スライドショー / 電磁気学 / 英語教材 / モ-ルス符号

研究概要

ビデオ学習教材の膨大な蓄積スペースを必要とする点、ビデオ教材は連続的な映像ではあるが静止画とみなせるシーンの継続と連続的な音声情報から構成されているという特徴に着目すると同時に、教材の音声が重要であることを勘案して、ビデオ教材「情報工学」をもとにして、(1)教育音声に同期したビデオのシーンを抽出し、(2)これを静止画として圧縮・蓄積することにより、(3)実用的な蓄積スペースを使い、(4)元の画質を損なうことなく、(5)音声は連続再生できることを保証してマルチメディア学習教材を実現した。具体的手順は以下の通りである。1.ビデオ教材をデジタル化する。2.それをノンリニアビデオ編集装置(Avid)により、重要なビデオシーンを抽出し、一時蓄積する。3.音声に同期して、一時蓄積シーンを関連つける。さらに、シーンの中には文字からなるものや、説明図表が含まれる。これを映像から切り出した場合には、多くの冗長性がありまた輪郭が不鮮明であるなどの改良すべき事項が含まれている。これを二値化することにより情報の圧縮と鮮明化を同時に実現した。
さらに、ネットワークベースの分散型知的CIAシステムである、CALsurf(NTT製)サーバ及びオ-サを導入し、「電磁気学の基礎」および「NHK英語学習」教材を題材に、これをマルチメディアすることを試みた。これによって、従来形式の印刷教材やビデオ教材と比較検討が可能となり、マルチメディア教材の有効性を示した。
従来型教材とマルチメディア教材の有効性の定量的な比較を可能とするために、「モ-ルス符号の学習」を取り上げ、これをネットワーク分散学習に適するマルチメディア教材とした。具体的には、学習単位の明確化、音響情報のRealAudio化、MIDI化を実施し、そのランダムアクセスを可能とした。被験者を用いた学習効率のデータ収集と評価は来年度以降の課題であるが、本年度は学習教材の準備と評価実験準備を完了した。

研究成果

• [文献書誌] 池田宏明: "同期マルチメディアによる教材開発の試み" (社)日本工学教育協会平成9年度工学・工業教育研究講演会講演論文集. 333-336 (1997)
• [文献書誌] 池田克巳: "WWWを利用した個人的適応型CAIシステム方式の提案" 電子情報通信学会・教育工学研究会、Technical Report. ET97ー116. 25-31 (1998)
• [文献書誌] 檜垣泰彦: "マルチメディア遠隔学習システムの設計" 工学教育. Vol.46,No.1. 17-20 (1998)
• [文献書誌] 檜垣泰彦: "「マルチメディアフェア'97inちば」における千葉大学工学部ブ-スの展示とネットワーク構成" 千葉大学工学部研究報告. Vol.49,No.2. 45-50 (1998)
• [文献書誌] Hiroaki Ikeda: "Colour Management in Multimedia and International Standardization" New Technology Japan,JETRO. Vol.25,No.6. 23-29 (1997)
• [文献書誌] Hiroaki Ikeda: "Comparative study on narrow-bandwidth presentation of streaming educational videos" Journal of Faculty of Engineering,Chiba University. Vol.49,No.1. 19-26 (1997)
• [文献書誌] Hiroaki Ikeda: "Equipment Independent Coulor Reproduction System,Technical Trend Assessment No.3" IEC,Geneva, 20 (1997)