研究課題/領域番号 |
08408014
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
武田 喬男 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (60022604)
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研究分担者 |
斉藤 和雄 気象研究所, 予報研究部, 主任研究室 (70391224)
坪木 和久 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (90222140)
中村 健治 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (20262917)
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キーワード | 豪雨の形成 / メソβ帯状積乱雲群 / ドップラーレーダー観測 / 雲の組織化 / 梅雨前線 / メソα雲群 / 集中豪雨 / クラウドクラスター |
研究概要 |
本研究は、主に九州南西部のメソβスケールの帯状積乱雲群を対象に、豪雨形成に関係するマルチスケールの現象の対応関係について下記の研究を行ない、豪雨の形成過程を明らかにすると共に、予測の可能性を検討することを目的としている。平成9年度は3年計画の2年次として下記の研究を実施した。 ・熊本県天草郡と長崎市に当研究所の2台のドップラーレーダを移動設置し、佐世保市における北海道大学のドップラーレーダ観測、諌早市における長崎大学のレーダ観測と協力して、梅雨期の豪雨をもたらす降水系の観測を行った。特に九州の西側の海洋上で発達した積乱雲、あるいは積乱雲群が上陸し、山岳などの地形の効果を受けて変質する過程、強い降雨を集中化させる過程に注目して観測を行った。また、観測期間中、熊本県天草郡で気象ゾンデの特別集中観測を実施し、上記の過程が起こる大気環境を観測した。 ・観測期間中には観測領域の南側にあたる鹿児島県出水市で洪水を発生させた豪雨が観測された。この豪雨は島の風下にできたメゾ降水系について非静水圧3次元数値モデルを用いてシミュレーション実験を行い、地形の効果を調べた。 ・東シナ海から九州南西部に移動してくるメソαスケール雲群の構造の変化の特徴を気象衛星や地上観測を用いて調べ、発達したメソβスケール帯状積乱雲群が、メソα雲群のどの場所、どのような発達経過の中で形成されたかを明らかにした。 ・積乱雲群のドップラーレーダ観測データの解析において、さらに、気象庁客観解析データ、日本域数値予報出力データも用いて、積乱雲群全体としての形成、発達、維持、移動、停滞、消滅の過程とその周辺の大気構造の変化との関係を調べた。
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