研究課題/領域番号 |
08408015
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
藤岡 知夫 東海大学, 理学部・物理学科, 教授 (70051381)
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研究分担者 |
山口 滋 東海大学, 理学部・物理学科, 助教授 (40297205)
砂子 克彦 東海大学, 理学部・物理学科, 教授 (50056016)
武田 修三郎 東海大学, 工学部・光学工学科, 教授 (90056094)
南里 憲三 東海大学, 理学部・物理学科, 教授 (20056211)
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キーワード | レーザー / 化学レーザー / コイル(COIL) / 核融合用ドライバー / 励起酸素発生器 / 安定-不安定型共振器 / ゼーマン効果 / レーザー出力制御 |
研究概要 |
励起酸素-ヨウ素エネルギー移乗型レーザーを慣性核融合として利用するための基礎技術を確立するため、平成8年度製作したレーザー装置(COIL)を用いて実験を行っている。得られた主なる結果は次の通りである。 1)超音速型化学酸素-沃素レーザーにおいて,動作コスト削減の観点から、従来使用されていたヘリウムガスに替わり、安価な窒素ガスによる高効率動作を達成した。化学効率23.5%という、窒素ガス動作の超音速COILでは世界最高の値を達成した。 2)COILの高圧力、亜音速動作を達成するため、レーザー媒質の化学反応を記述するシミュレーションコードを作成,動作可能な条件の探索を行った。シミュレーション結果に基づき、レーザー共振器内部圧力15Torrという、従来のCOILに比べて5倍以上高い圧力においてレーザー発振を達成した。化学効率はまだ超音速動作に比べてかなり低いが、計算ではほぼ同等の効率を達成できる見通しを得ており、今後動作条件の最適化を進めてゆく。 3)レーザー媒質における励起酸素濃度、沃素濃度、未反応の塩素濃度を実時間で計測するモニターシステムを開発した。上記の化学効率23.5%は、このモニターシステムによって計測したデータから動作パラメータの最適化を行った結果得られたものである。 4)新たに考案した安定-不安定型共振器を製作、COILに装着してその効果を確認した。レーザービームの品質を表すM^2値(1に近いほど良い)が、従来型の156から29へ向上した。この結果は理論的に予測したものとよく一致した。 5)ゼーマン効果を利用したレーザー出力制御方式を確立した。レーザー出力の安定化では±0.4%、また0%〜100%の任意波形での出力変調が出来ることを実証した。今後は、この技術をベースに媒質の利得を高速にスイッチし、高ピークパワーのパルス発振を行う。 第二年度を終え、初期の目標以上の成果が得られた。平成10年度も引き続き成果を上げるべく実験を行う予定である。
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