• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

低線量放射線に対する生体の応答と影響制御の機構

研究課題

研究課題/領域番号 08408021
研究機関京都大学

研究代表者

佐々木 正夫  京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (20013857)

キーワード低線量放射線 / 適応応答 / 細胞内情報伝達 / Cキナーゼ / p38MAPキナーゼ / PLC / 放射線耐性 / 線量強度識別
研究概要

低線量放射線に前照射された哺乳動物細胞は、その後の放射線に対して抵抗性を示すようになり、突然変異や致死耐性となる。適応応答と呼ばれこの細胞応答の特性と情報伝達の機構及びその生物学的意義の解明を目指し、これまでに適応応答の至適線量域、持続時間、Cキナーゼ(PKC)の活性化、p38MAPキナーゼ(p38MAPK)の活性化などを明らかにしてきた。今年度は、特に線量強度識別と応答の長期持続性の分子機構に関して以下のような重要な知見が得られた。低線量放射線ではPKCαの活性化が長時間持続するのに反し、高線放射線ではPKCαの活性化には高濃度のTPAと同じように短時間で逆制御がかかる。PKC阻害剤はp38MAPKの活性化を抑制し、p38MAPKの活性阻害剤はPKCの活性化も阻害することが分かった。さらにp38MAPKは膜りん資質の分解を触媒し、PKCの活性化に働くPLCδ1分子と結合していることが明らかとなった。これらのことから、放射線に対する情報伝達はPLCδ1/PKCα/p38MAPKからなる回帰性フィードバック回路により制御されていることが示唆された。すなわち、低線量刺激ではこのフィードバック回路により応答は長時間持続するが、高線量ではPKCαの逆制御により、この回路は遮断される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Morita,K.et al.: "Werner's syndrome-chromosomal analyses of cultured fibroblasts and mitogen-stimulated lymphocytes." British Journal of Dermatology. 136. 620-623 (1997)

  • [文献書誌] Ohtani-Fujita,N.et al.: "Hypermethylation in the retinoblastoma gene is associated with unilateral,sporadic retinoblastoma." Cancer Genetics and Cytogenetics. 98. 43-49 (1997)

  • [文献書誌] Akao,T.Et al.: "A high prevalence of functional inactivation by methylation modification of p16^<INK4A>/CDKN2/MTS1 gene in primary urothelial cancers." Japanese Journal of Cancer Research. 88. 1078-1086 (1997)

  • [文献書誌] Sonoda,E.et al.: "Rad51-deficient vertebrate cells accumulate chromo-somal breaks prior to cell death." The EMBO Journal. 17. 598-608 (1998)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi