研究課題/領域番号 |
08408028
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷口 直之 大阪大学, 医学部, 教授 (90002188)
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研究分担者 |
東山 繁樹 大阪大学, 医学部, 助手 (60202272)
鈴木 敬一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (70221322)
藤井 順逸 大阪大学, 医学部, 助教授 (00222258)
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キーワード | 活性酸素 / 一酸化窒素 / 形質転換増殖因子 / ヘパリン結合性上皮増殖因子 / 2-オキソアルデヒド化合物 / スーパーオキシドディスムターゼ / グルタチオンペルオキシダーゼ |
研究概要 |
(1)活性酸素による細胞死の制御機構について、抗酸化酵素遺伝子の発現の立場から検討した。形質転換増殖因子(TGF-β)はある種の細胞にアポトーシスを誘導するが、その機構の一つにスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)の発現抑制が関わっている可能性を明らかにした。また、一酸化窒素(NO)はGPxの活性中心を形成するセレノシステイン(Sec)の酸化を促進しCys-91との架橋を形成させる結果、その不活性化を促進することを突きとめた。現在、このGPxの不活性化がNOによるアポトーシスの原因となっているかどうかを検討するために、GPx遺伝子をトランスフェクトした細胞の樹立を行っている。 (2)老化や糖尿病の結果2-オキソアルデヒド化合物の増加が起こり、こうした病態に関わっていると考えられる。今回、こうした2-オキソアルデヒド化合物がアポトーシスを誘導することを見い出した。更に、この解毒に関わるアルド-ケト還元酵素には、既知のものの他にも同様の触媒反応を行う酵素が存在することが確認された。現在、ラットcDNAライブラリーよりそのクローニングを行っている。 (3)動脈硬化では血管平滑筋細胞の増殖が起こるが、申請者らはヘパリン結合性上皮増殖因子(HB-EGF)がその増殖に関与していることを明らかにしてきた。今回、糖尿病で増加する2-オキソアルデヒド化合物がHB-EGFの遺伝子発現を促進し、動脈硬化の発症に関与していることを明らかにした。
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