SINE生成の組換え反応を理解することは、高等生物における未知の組換え機構の発見や、あるいは既知の組換え反応系が全く異なる現象へ転用されている事実を明らかにすることにつながるものと考え、以下の実験を行った。 1. ヘビクビガメのゲノムからのCR1様レトロトランスポゾンの単離SINEに逆転写酵素を供給していると考えられる、CRl様因子の活性型遺伝子をヘビクビガメのゲノムライブラリーより単離する。これらの中から全長を保持した遺伝子をスクリーニングする。この実験を行うには、プローブに用いるためにCR5′上流領域の配列情報が必要であるが、全長がクローニングされていないため、カセットPCR法を用いて、ヘビクビガメゲノム中のCR1の3′末端から上流に向かってウォーキングを行い、この情報を基にプローブを作製し、目的の遺伝子を単離した。 2. CR1がコードする逆転与酵素の発現、精製 3. CR1逆転写酵素によるSINEの認識特性の解析 実験は現在も進行中であり、今後も引き続きデータが増えることが予想され、さらなる検討を加えていく予定である。
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