研究課題/領域番号 |
08408038
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高谷 節雄 山形大学, 工学部, 教授 (40154786)
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研究分担者 |
野川 雅道 山形大学, 工学部, 助手 (40292445)
渡邊 隆夫 山形大学, 医学部, 助教授 (60138922)
島崎 靖久 山形大学, 医学部, 教授 (60116043)
宮本 嘉巳 山形大学, 工学部, 教授 (30001689)
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キーワード | 反射型パルスオキシメータ / ヘモグロビン酸素飽和度 / ヘモグロビン量 / ホトダイオード / 発光ダイオード / 多層組織モデル / 光子拡散理論 / 人工心臓 |
研究概要 |
本年度は、1)反射型パルスオキシメータの生体計測への応用、2)血液酸素飽和度計測用センサの開発、及び3) 組織モデルでの酸素飽和度計測システムの開発を中心に研究を進めた。 1) 反射型パルスオキシメータは、730と880nm波長のLEDチップをホトダイオードと同平面上に、半径7mmの距離に8個等間隔に配置して作成した。チップ表面はクリアーなエポキシ樹脂でカバーし、表面は研磨して作成した。正常被験者30名で反射光信号のレベルを測定した結果、前頭部及び胸部での反射光電子脈波は指先のそれと比較して、30%、10%に減衰した。しかし、反射型センサで測定不可能な被験者は存在しなかった。続いて、循環不全患者にてセンサの評価を試みた。結果、循環器系疾患患者でも前頭部や胸部で反射光パルスが計測可能なことが確認され、反射型センサの有用性が示唆された。 2) 人工心臓の流量制御への応用を前提に、全血の反射光を測定しヘモグロビン量と酸素飽和度が推測可能なセンサの設計・評価を行った。光源としては、730、830nmLEDチップをホトダイオードより約2mmの距離に配置し、ヘモグロビン量は830nmの反射光値で、酸素飽和度は730と830nmの反射光値の比を直線近似して求めた。牛血を使用した実験で、830nmでの反射光値はヘモグロビン量と相関を示したが、酸素飽和度の変化により影響を受けた。730と830nmの反射光値の比は酸素飽和度と直線関係を示し(R^2=0.9899,SD=2.61%)、ヘモグロビン又はヘマトクリット値の変動(30-52%)による影響は見られなかった。 3) 2)の結果を組織モデルに応用し、同じ波長を使用し、複数(46個)のホトダイオードを光源から1mm間隔で1-5cmの距離に配置し、組織深部の影響による反射光の変化を定量化する目的で、センサの作成、実験的多層組織モデルと理論的モデルの構築を開始した。
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