研究概要 |
本年度は血管内皮mRNAのdiferential display法で明らかにしたshear stressで感受性遺伝子の一部(16個)をクローニングし、その塩基配列をDNAシーケンサで決定した。gene bankのdata baseでホモロジー検索を行った結果、16個の内6個は既知の遺伝子、すなわちlaminin B1 chain,H^+_-ATP synthase coupling factor 6,lysyl oxidase,myosin light chain kinase,NADH dehydrogenase,interleukin-8 recepterであった。残りの10個はホモロジーのある遺伝子が見当たらなかった。differential displayではmRNAのnon-coding regionを増幅する可能性があるので残り10個が全て未知の遺伝子とは言えないが、未知の遺伝子も含まれていると考えられた。今後、これらについては遺伝子の全長をさらにクローニングし、さらに、differential display法とは別にshear stressを作用させたヒト臍帯静脈内皮細胞のcDNAライブラリーを作成し、そこからG蛋白共役型受容体ファミリーに共通する塩基配列を利用してshear stressに反応する新規な受容体のクローニングを試みる予定である。
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