研究課題/領域番号 |
08409001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
豊田 和弘 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (10207649)
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研究分担者 |
田中 俊逸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (30142194)
長谷部 清 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (70000859)
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キーワード | 古環境変動 / 琵琶湖 / ピストンコア / ICP発光分析 / ヒ素 / 古水深 / 放射化分析 |
研究概要 |
堆積時の水深と堆積物中砒素の含有量との相関関係の検量線は、堆積環境によってかなり影響を受けることが平成10年までの2つの琵琶湖ピストンコアの研究でわかってきた。一方、水酸化物相中の鉄の含有量へのそれらの影響の少ないので、古水深のさらに有用な指標として有望視される。その有効性を検証するために、ボーリングコア上部43万年分の250mの粘土層の試料について2m間隔で化学抽出とICP発光分析を行っている。 また、同じコアの上部250mの試料について約4m間隔で日本原研での放射化分析を行ったところ、微量元素の含有量比が気候変動(気温の寒暖)と対応関係にある可能性が検出されており、さらに約2m間隔でもう一度分析して検証しようとしている。もし、それが検証されたなら、中国から飛来するレスの混入量の変動のためと解釈され、大変興味在る結果である。細粒のレス成分の化学組成を明らかにするために、クリーンルーム内での粒度分画した細粒な分画試料の放射化分析も考察に必要となってきた。 一方、2つのピストンコア試料については立教原研での測定ではそのような対応関係が検出されなかったので、日本原研でさらに強く放射化して平成12年4月に測定予定である。また、これまで陸源物質のみの混合物という事で琵琶湖堆積物コアの化学組成を解釈していたのが、レス成分の影響についても考察する必要が生じる。3つ目の高島沖のピストンコアの約百試料の変動についてもレス成分の化学組成が明らかになった上で考察したい。 このようにさらなる実験が本申請研究の考察に必要と考えたので、平成11年には代表者としては新たな科研費の申請を行わず、平成12年度も9カ月間ほど本研究テーマに従事することにした。
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