研究課題/領域番号 |
08409003
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松野 和彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90029679)
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研究分担者 |
斉藤 兆史 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (80162246)
エリス 俊子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90242031)
幸田 薫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30126776)
吉島 茂 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50011309)
岡 秀夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90091389)
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キーワード | 二言語教育 / 早期第二言語学習 / 教科書分析 / 国語教育 / 視覚的音声訓練教育 |
研究概要 |
外国語教育の早期開始・バイリングアル教育が外国語の4技能を身につけるのに有効なだけではなく、早期教育における知的発達・教育と平行した教育、他教科との連携が大きな意味を持っていることが判明した。これは成人教育においてしばしば見られる、知的能力と外国語能力のアンバランスの問題を考える上で重要な示唆であり、成人教育において身につけるべき知的側面を見いだすことが、外国語教育の成果を上げる上で重要であるとの認識に至った。 そうしたものの一つとして、異文化情報・教育は重要な位置を占めると考えられる。その意味で、外国語の教科書・教材で異文化がいかに取り上げられているかを分析することは、改善の第一歩となると考えられる。その意味で日本、韓国、中国、ドイツの外国語教科書を比較分析したが、単に自国文化の諸相を外国語に移し替えただけのものから、意識的に異文化との取り組みを求めたものまで国・文化圏によってその取り扱い方には大きな差が認められた。 また、早期教育においても異文化教育はその重要な柱となりうるが、この点でも文化圏によって取り組みに大きな差が見られた。日本の場合、独自の日本文化を標傍するあまり、国語教育において異文化との対等の取り組みを志すことはまれである。またバイリングアル教育においても外国語教育が一人歩きをする傾向がある。外国語教育が国語教育と(制度的にも)別個に行われるという現象は結局は双方に不利益をもたらすものでしかない。 異文化教育を外国語教育の面で強化するためにはその基礎研究が重要であり、特に広義のコミュニケーションの対照比較研究が重要なかつ緊急の課題となる。
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