研究課題/領域番号 |
08409006
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
寺田 正春 大阪市立大学, 法学部, 教授 (00047375)
|
研究分担者 |
笹倉 秀夫 早稲田大学, 法学部, 教授 (10009839)
佐藤 岩夫 大阪市立大学, 法学部, 助教授 (80154037)
浅田 和茂 大阪市立大学, 法学部, 教授 (70067734)
松本 博之 大阪市立大学, 法学部, 教授 (70047380)
西谷 敏 大阪市立大学, 法学部, 教授 (70047314)
|
キーワード | 環境法 / 公害 / 生態系(エコロジー) / 法政策 / 自然の権利 / 環境権 / 環境政策 / 環境訴訟 |
研究概要 |
3年間の研究の最終年度に当たる本年度は、過去2年間の研究で得られた研究成果を深化させるとともに、主として次の二つの作業を重点的におこなった。 一つは、環境法・環境政策についての3年間の研究を総括することである。その成果としては次の2点が重要であった。まず第1に、これまでの環境法・環境政策の発展を基礎理論的に総括した結果、環境問題の解決を模索する過程で産み出されてきたさまざまな考え(例示的にのべれば、環境法における柔軟性・応答性の重視や人間のみならず動物や自然それ自体に権利主体性を認める考えなど)のなかには、近代日本法のベースになっている西欧近代的な法思考の見直しを迫るものも少なくなく、非西欧的・日本的な法思考が、一定の範囲において、環境法の今後の発展にとって重要な意義をもちうる可能性があることが確認された。第2に、法政策的な総括作業の結果、環境法の発展は、環境政策の展開と密接な関係があり、環境法の発展は、全体として、環境保護をめぐる政治的イデオロギーや政治制度の配置、さらには社会運動の活発性など広い意味での政治的要因の従属変数としての性格をもつことも確認された。 もう一つは、環境法・環境政策についてのこれまでの研究成果を国際的な視野から深化させるために、外国研究者との意見交換をおこなうことである。このため、本研究の関連事業として、環境保護先進国といわれるドイツの環境法専門家との国際シンポジウムを開催し、環境保護の法制度と法理論に関する日独の知見を交換し、行政的規制の整備を優先させるドイツ型に対して私法的・契約的な解決手法を重視する日本型という国際比較の分析枠組を獲得することができた。
|