研究分担者 |
堀 賀貴 山口大学, 工学部, 講師 (20294655)
坂井 聰 (財)古代学協会, 古代学研究所, 助教授 (20215586)
中井 義明 同志社大学, 文学部, 助教授 (70278456)
江谷 寛 (財)古代学協会, 古代学研究所, 教授 (90223651)
角田 文衛 (財)古代学協会, 古代学研究所, 教授 (70072709)
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研究概要 |
ポンペイの都市構造をその形成過程から明らかにするという当研究計画に基づき,引き続き研究基盤を充足させるための,基本的な研究文献の収集並びに研究資料のリスト作成とそのデータベース化を継続して行った。その一環として,これまでに収集したポンペイ遺跡の当研究に関連する写真資料約3000点を選び出し,デジタル化したデータをコンピュータ上に記録し,さらに検索機能を持つフォトCDとして保存した。 さらに各々研究代表者と分担者は以下のような研究を行った。浅香は,都市形成の過程,公共建造物,壁画,郊外のウィラの4つの観点から見たポンペイ遺跡の都市構造を中心に研究を進めた。研究分担者角田は都市起源の観点から,古代都市の成立期の研究を行い,初期の政治形態に関する理論的枠組みの確立に努めた。また江谷は,考古学的史料に基づき主として城壁の形成過程とその年代確定のための研究を進めた。中井はギリシア植民市の南イタリアにおける政治的影響に関して研究した。また坂井は,ポンペイ城壁の研究史の整理を行い,最近の発掘調査による知見を加味して,従来の研究史の欠落点を補う研究成果を得た。堀はポンペイ遺跡の城壁の写真データの解析を行い,その構築法の分析を行った。 加えて浅香を中心に,日本各地で講演会および研究会活動を行い,ポンペイ遺跡の輪郭と概要を紹介しつつ,この研究計画に対する社会的関心をより一層喚起した。また,浅香はイタリア・ナポリのオルソラ大学に於いて,「ポンペイ近郊のウィッラ」と題する講演を行い,現地の研究者と広くこの問題に関する意見を交換した。
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