研究課題/領域番号 |
08451001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 亨英 北海道大学, 文学部, 教授 (30008958)
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研究分担者 |
中澤 務 北海道大学, 文学部, 助手 (10241283)
中川 大 北海道大学, 文学部, 助手 (40237227)
花井 一典 北海道大学, 文学部, 助教授 (80228501)
坂井 昭宏 北海道大学, 文学部, 教授 (20092059)
山田 友幸 北海道大学, 文学部, 教授 (40166723)
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キーワード | 心 / 言語 / 行為 / 身体 / 心身問題 / 行為の因果説 / 雲魂論 |
研究概要 |
二年目である平成9年度は、引き続き前年度の研究を継続し、各研究者がそれぞれの専門・関心に応じて、心を巡る個々の具体的な問題に関する従来の研究を整理・検討するとともに、そうした基礎的研究の成果を受けて、各分野の研究相互の関係を明らかにし、総合的な視点を得るための総合的研究を行なった。具体的な研究内容、および、それによって明らかになった知見は以下の通りである。 (1)古代ギリシア哲学における心の概念についての歴史的研究:(1)プラトンの初期哲学における心の概念を、幸福という倫理的概念の問題や、行為の構造という観点から明らかにする研究(中澤)。(2)プラトン・アリストテレスを中心に、心と存在を巡る問題を広く考察(田中)。(2)中世哲学における心の概念の変容の調査・分析(花井)。この研究によって、一見すると深い断絶が想定される古代・中世思想と近世以後の思想との間に、密接な連関が存在することが指摘され、心の概念も例外ではないことが明らかにされた。(3)近世哲学、特にデカルト哲学における心の概念の特徴と、その歴史的意味を巡る研究(坂井)。(4)現代の言語哲学・行為論からの考察:(1)心の概念を、行為の因果説の視点から分析する研究(山田)。(2)ストローソンの単称思想を巡る研究(中川)。これによって、単称思想という言語哲学上の問題から、心の概念に関する新たな光を投げかけることが可能であることがわかった。
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