研究課題/領域番号 |
08451002
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柏原 啓一 東北大学, 文学部, 教授 (30008635)
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研究分担者 |
熊野 純彦 東北大学, 文学部, 助教授 (00192568)
清水 哲郎 東北大学, 文学部, 教授 (70117711)
野家 啓一 東北大学, 文学部, 教授 (40103220)
篠 憲二 東北大学, 文学部, 教授 (20086119)
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キーワード | 歴史 / 終末 / 時間 / 死 / 永遠 / キリスト教思想 / 現象学 / 言語論 |
研究概要 |
1.分担者は各自のテーマに沿った研究を進め、その成果の集約と吟味のため、研究会を5回開催し、ディスカッションを行った。そのテーマと報告者は以下の通り。 第1回 : 「終末論の諸タイプとその特徴」柏原啓一 第2回 : 「歴史のナラトロジー」野家啓一 第3回 : 「歴史・理性・他者」熊野純彦 第4回 : 「歴史と終末の現象学」篠 憲二 第5回 : 「人生の終末と永遠」清水哲郎 2.本年は一年目であるため、以上の研究会の議論を通して得た共通認識をまとめる段階ではないが、それぞれのテーマにおいて、当初の研究目的を決定するにあたって見込んでいたことが確認されつつある。すなわち、(1)人間にとって、この世に生まれ、わずかばかりの間生きて、死に行く者であることがその存在様式にとって決定的である以上、そのような存在者とし自己を認識することは、時間軸に沿って過去を振り返り、また未来へと向けることを伴わざるを得ない。(2)人が過去へ目を向けることは、自己の現在の形成を語る自己史を振り返る眼差しの延長線上にあることであり、そこに歴史を語る眼差しの故郷がある。(3)この世界の未来は、自己の死の彼方に投映されるものである以上は、この世の死ともいいうべき終末への眼差しに対して立ち現れるものにほかならない-といった諸点である。 3.上記発表のうち、第1、2回のものはさらに内容の充実をはかった上で岩波書店から刊行が企画されているシリーズ「新・哲学講義」の第8巻に発表される予定であり、第3、5回のものは別記研究発表欄に記載の著書に所収されるべく、印刷中であ。また、各分担者は、機会に応じて他大学、他分野の研究者の前でこの課題に関わる発表をし、ディスカッションを通して考察を深めている。
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