研究課題/領域番号 |
08451002
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柏原 啓一 東北大学, 文学部, 教授 (30008635)
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研究分担者 |
川本 隆史 東北大学, 文学部, 教授 (40137758)
熊野 純彦 東北大学, 文学部, 助教授 (00192568)
清水 哲郎 東北大学, 文学部, 教授 (70117711)
野家 啓一 東北大学, 文学部, 教授 (40103220)
篠 憲二 東北大学, 文学部, 教授 (20086119)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 歴史 / 終末 / 物語り / 死 / 復活 / 時間 / 社会正義 / ナラトロジー |
研究概要 |
歴史と終末をめぐって、現象学的アプローチと言語論的アプローチを突き詰め、擦り合わせて、より高次の視座に立った見方を探るという本研究の中心的目論見は、物語りないしナラトロジーという視点を中心とした理論的な検討を通して総論的に探られるとともに、歴史と終末という問題、近現代哲学における諸見解、そして現実の諸問題に即した考究を通し各論的に検討された。 1. 歴史についての「物語り」としてのあり方についての理解を深め、現在に生きる私たち人間が過去を振り返る(また未来へと目を向ける)場面において、過去についての物語り(未来についての物語り)として歴史が(また終末も)現れて来るということにまつわる諸論点が検討された。そこから過去の実在ということもまた現象学的言語論的批判を経て理解されねばならないという点が検討された。 2. 終末についての現代思想(神学を含む)における議論を見通しつつ、キリスト教思想の原点についての再検討を行い、終末の問題は現在生きるということの問題であること、結局、歴史の物語りが現在進行形のことであるように、終末について語ることもまた、現在どう生きるかを語ることであるいう点が提示された。 3. 内外の近現代哲学ないし思想についての個別研究としては、カント、ベルグソン、フッサール、レヴィナス、また柳田国男、和辻哲郎らの時間、歴史、終末に亙る思想の分析がなされ、全体的見通しの基礎となった。 4. 現実の諸問題をめぐっては、人生の終末にかかわる医療現場の問題に即した検討および現代日本における歴史理解をめぐる議論に即した検討を通して、人間の生きる現場における基礎的な状況理解として、自らの過去および未来についての物語りがなされることを指摘した。
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