研究課題/領域番号 |
08451004
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
今井 知正 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50110284)
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研究分担者 |
野矢 茂樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50198636)
村田 純一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40134407)
山脇 直司 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30158323)
宮本 久雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50157682)
山本 巍 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70012515)
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キーワード | 言語 / 翻訳と解釈 / イデオロギー / 機能的意味論 / アナロジー / 公共性 / 暴力 |
研究概要 |
本年度は前年度をうけて本プロジェクト全体の研究成果を出すべく、研究活動を行った。 まず、前年度に浮上した「信念や合意の形成に関する成功・不成功」という特異な行為論的問題については、翻訳ないしは解釈を行う場合、解釈のための単一の規範を示すのは不可能であるか、単一の規範だけであらゆる多様な解釈の根拠とすることは不可能であることを明らかにしたが、その結果、行為における言語の役割、あるいは行為における合理性を総合的に把握しなおすことが問題として浮かび上がったが、これは今後の課題として残った。 また、日常的なコミュニケーションを破綻させてアポリアを招来する言語使用の問題に関しては、ある種の言語使用は他の言語使用の地平にとりこんだり還元したりすることができないことを明らかにし、そのうえで、死を語る言語の可能性、プラトンの「対話」における「私の言語」から「われわれの言語」への翻訳など、伝統的な西洋思想のなかにこうした問題の思考可能性を探った。そのなかで「モナドロジー的存在論」と「関係論的存在論」との比較検討を通じて、ものの存在を絶対的に語るのでなく関係において語る方法としてアナロジーという言語使用がうかびあがった。 さらに評価的規範のもつ権力性の問題については、ある文化に属するものを異質な文化に取り込む場合にはイデオロギー性の発生を見るし、また、公共性の創設にあたっては暴力が必然的にかかわってくることを明らかにし、そのうえでこうした問題について政治哲学的文脈での検討をおこなった。個別的には日本における漢字文化や明治以降のヨーロッパ思想の受容の諸相を分析することで、これらが日本文化の一部となりながらもイデオロギー性などとむすびついた特殊な位置づけを獲得してゆく様を明らかにした。また、政治哲学的文脈において言語のもつ問題を思想史的に整理し、この問題がどのような地平で考えられるべきかを考察した。
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