研究課題/領域番号 |
08451022
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岩井 邦夫 北海道大学, 教育学部, 教授 (40000632)
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研究分担者 |
城谷 ゆかり 北海道大学, 教育学部, 助手 (70235761)
陳 省仁 北海道大学, 教育学部, 助教授 (20171960)
佐藤 公治 北海道大学, 教育学部, 助教授 (60113669)
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キーワード | 「周学期」 / 心理発達 / 「教育生態学」 |
研究概要 |
1.北大幼児園の園児計23名を対象に自由遊び場面における子どもと保育者の関わり行動を2台のビデオを用いて繰り返し収録し、また2人の保育者を交えた保育カンファレンスを随時行うことにより、個々の対象児の行動・性格面の傾向や特徴を把握するとともに、子どもに関わる際の保育者の意図や子どもの反応の予測について協議し、子どもの個体的特性や環境条件とともに個別具体の場面における保育者の意図をも的確に把握して、子どもの行動と発達の姿を跡づけようとする「教育生態学」の視点の重要性と意義を確認した。 2.北大幼児園の年長児計13名を対象に送迎時の母親と子どもの相互交渉場面を反復観察するとともにビデオに収録した。この結果、保育場面とは大きく異なる子どもの姿が把握されるとともに、親の口を通して語られる子ども像や親子関係とは異なる親子関係の実態が明らかになった。 3.北大幼児園全園児と札幌市内のH幼稚園の年中及び年長児の母親を対象に発達期待や子ども観、「入学期トランジション」「究極の価値」などに関する項目を含む質問紙調査を実施し、発達期待では「身辺自立」や「集団参加」「意志伝達能力」等への期待が高いことを明らかにするとともに、年長児にとって小学校入学は「少しは意識する」程度のもので、「一日体験入学」も特に印象深い体験ではないことが明らかになった。 4.一つの「子ども変数」としての保育者による幼児の「共感性」評定尺度を作成し、北大幼児園園児全員について実施するとともに、評定尺度の「分かりやすさ・つけやすさ」の検討も行い、方法の洗練を図った。 5.平成9年度においては「子ども変数」のデータを増やすとともに、小学校入学後の年長児の適応と発達の過程を追跡調査する予定である。
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