| 研究概要 |
本研究は,交通心理学の国際比較研究を実施するものである。研究分野としては,1)ドライバーの対人コミュニケーション行動と2)ドライバーのリスク知覚とリスク回避行動の実験を設定している。まず第1段階では,方法論を確立するための調査を中心に行っている。対人コミュニケーション行動については,日本では運転経験と性別でコミュニケーションの理解度に大きな差異が見られ,また回答への自信度について男性の方が女性よりも高かった。フィンランドでは,合図への理解度については,男性の方が女性よりも高い一方で,運転経験の差異は見られなかった。しかし,回答の自信度の男女差については日本と同一結果であった。
さらに,ドライバーのリスク知覚の実験室実験を遂行中である。ハザード知覚とリスク知覚,安全運転への自信度,速度調節によるリスク回避行動の関連性について,ビデオ映像を用いた実験室実験により調べている。ハザード知覚の技能(理解力)はリスク知覚と相関を示し,リスク知覚は速度調節と関連を示した。ハザード知覚には経験効果が明らかとなり,経験者の方がハザードを適切に知覚している。これらの分析は今後国際比較研究の基礎となるものである。
|
