発電プラントのサブシステムとして、オイルク-ラ、ボイラー、他あわせて4例の正常時操作を取り上げその操作過程をビデオ記録した。これらの操作に関連する現状の操作手順書・マニュアル、機器取り扱い説明書、系統図、機器配置図等の資料も収集し、ベテラン操作員・技術担当者に対する面接聞き取りを実施し、操作過程での状況判断に利用される情報の種類、情報獲得方法、情報獲得のタイミングなどの記述を終了した。 上記の資料を基に操作過程のフローチャートを作成し、操作関連情報あるいは必要な知識の相互関連を分析した。4事例の中から、ボイラーの起動・停止操作を選択し、新しい構造のマニュアルを試作中である。マニュアル試作に当たっての留意点は、現行マニュアルに不足している以下の項目に置くこととした。 1) マニュアルが使用される「前提条件」が明確であること。 2) 各操作の「意味」、すなわち「システムの状態がどのようになっているか、それに対しどのような効果を与えようとしているのか」が解るような記述にすること。 3) システムの全体的な構造・系統および制御系統の概念が把握できること(手順の記述と付属図面のバランスが取れていること)。 4) 手順を示す記述と、構造・系統・制御系(フィードバック)を示す図面の、対応関係が明瞭であること。すなわち、手順の記述中に出現する装置・機器名は必ず付属図面の中で、その位置および機能が確認出来ること。 5) 操作手順は、現場の物理的な構造あるいは機器配置を配慮し、不要な移動などを出来るだけ含まないものとする。 一方、緊急事態の操作としては高度に自動化された航空機の事故事例を解析し、特に上述の3)の項目に重点を置いた解析を実施中である。
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