研究概要 |
情報化の進展にともなって社会システムの現実諸形態が,大量・多様・高度な情報の処理を前提として成り立つようになってきた。当然,このことが人間の基礎的な社会システムである地域コミュニティにおいても現実的な問題として具体化されてきた。 本研究では、このような「社会システムの社会情報化システム化」をコミュニティ・ライフに焦点を合わせつつ実態を明らかにするよう研究を進めてきた。 今年度は、若者の生活における一つのテーマとしてファッション情報の発生と流通に関する前年の研究を批判的に検討しながら、さらに対象範囲をコミュニティ形成に関わるところまで拡張し、その展開を図った。 現実には、奈良市域におけるコミュニティ形成の最も顕著な場合として,いわゆる奈良町のケース・スタディから始めて,それがどのような社会的契機にもとづいて特有なコミュニティ・センチメントを生み出しているか,またどのような客観的契機が人びとのコミュニティ・インタレストを支えているかを検討し、そのようなコミュニティ形成の事実のなかで,コミュニケーション・メディア,とくに情報メディアの役割がどこにあるかを明らかにした。
|