研究課題/領域番号 |
08451040
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
新 睦人 奈良女子大学, 文学部, 教授 (70031656)
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研究分担者 |
中川 早苗 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (80093558)
小川 伸彦 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (10242992)
中島 道男 奈良女子大学, 文学部, 教授 (10144635)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 社会情報システム / ライフスタイル / latter modern |
研究概要 |
コミュニティ・システムを「社会情報システム」として把えなおすという考え方にたって、本研究は、まず、理論的な整備をおこなった。人びとの生活空間は、実質的には、コミュニティ空間として現れるし、コミュニティでは、社会情報を中心として各種の情報がシステム回路を活発に流通し、それらの制御能力によって、コミュニティの定住的および利用的、通過的なメンバーの相互的または共同的な行為が展開されている。その場合に、情報化の進展は、コミュニティの可能性を奪い取るものというよりもむしろ、人びとのなかに、「コスモ-ローカル併存型」というべき新しい適応パターンを生みだしているという事実を前提としなければならない。 そのような観点からすると、高度情報社会では、人びとの生活システムは、ますます社会的空間が拡大し、これに対応して、人びとのライフスタイルもまた変化していく。たとえば、若者たちのライフスタイルも、次第に〈個性志向〉が強まり、自分らしさを求める傾向が強まった。たとえば、ファッションに関わる人びとの自己認知によると、高感度でユニークなファッション志向で行動している人びとが個性的なライフスタイルを身につけていることが分かった。このことは一例にすぎないが、人びとの生き方の原理はさまざまであって、個々の生活システムが成り立つ現実的な場面としてのコミュニティでは、ミクロな視点でいえば、社会的ネットワークの生得的なパターンが占める比率が減少し、獲得的なパターンがさまざまなバラエティをもって現れつつある。マクロな視点では、コミュニティの結節性を高めるさまざまな集団や設備が多様かつ大量となり、また情報化にともなって高度にもなって、とくに都市空間における中心機能を高めつつある。このことが人びとの〈生活システム化〉を促している。
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