研究概要 |
静岡県百年の生活史を研究するに当たって、初年度の平成9年度は、本格的研究のための下準備を実施した。つまり、以下の2点中心に研究を実施した。 1.研究環境の整備: 本研究には、最新のメディア環境を整備することが不可欠である。そこで、Power Macintosh7600/132を整備士、インターネットに直接アクセスできる環境を整備した。それにより、自治省関連のデータを中心に、静岡県のみならず、日本全国の地域関連情報にアクセスできるようになった。したがって、都道府県レベルのみならず、地方自治体が独自に作成する各々のホームページから様々な関連情報を入手することは可能である。 また、地方自治体のホームページを検索していて気付くことは、昨今の「地方自治」への関心の高まりである。それは、今後日本社会の発展および諸政策は、日本を総称的に捉えるのではなく、地方自治体レベルで考慮する必要性を示唆するものである。高齢化か、情報化、都市化、国際化、技術革新、教育などすべての点において、各地域の社会・経済的要因を考慮する必要があるといえる。 2.日本全体および都道府県レベルの人口動態関連データベースの整備: 静岡県の生活史を研究する場合でも、日本全国および他の都道府県の場合と比較検討することは必要不可欠のことである。静岡県のみの生活構造を分析するのであれば、研究は民族学的に偏向する。しかし、本研究の目的は、静岡県の特徴を究明する上で、日本全国および他の都道府県と社会学的見地に基づき比較検討することである。つまり、何が類似しており、また何が相違するのか、そしてその理由は何かなどを分析することである。そこで、過去に当該研究者が収集した日本全国および都道府県別人口動態データを整備した。今後、静岡県のさらに詳細な統計データを入手することにより、静岡県の分析が十分に実施されるものと思う。 本研究による直接の成果ではないが、本年度中に本研究に密接に関連する書籍を2巻編集し、出版刊行した。これらは、今後の当該研究にとって有用な書籍であるものと確信する。したがって、これら2巻を以下に表記する。 熊谷文枝(編) 『日本の家族と地域性・上-東日本の家族を中心として』ミネルヴァ書房、1997年3月、$3,000 熊谷文枝(編) 『日本の家族と地域性・下-西日本の家族を中心として』ミネルヴァ書房、1997年3月、$3,000
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