研究概要 |
平成8年度は,健常乳幼児および障害児のコミュニケーション発達に関する先行研究や,既存の代替コミュニケーションシステムに関する研究をもとに,重度運動障害児に対するノンバーバルコミュニケーション指導プログラムを作成した。 指導プログラムは,表出手段としてeye pointingを用い,以下に示す3つのステージから構成された。 ステージ1-コミュニケーション発達の準備段階 eye pointingを用いた選択行動の形成 ステージ2-コミュニケーション発達の初期段階 eye pointingを用いた要求行動の形成 ステージ3-代替コミュニケーションシステム適用への準備段階 eye pointingを用いた伝達行動の形成 ステージ4-代替コミュニケーションシステムの適用段階 既存の代替コミュニケーションシステムへのeye pointingの適用 さらに,重度運動障害児4名(脳性まひ児3名,Werdnig-Hoffmann病児1名)に対し,上記のプログラムのステージ1及び2を実施し,指導プログラムの有効性を検討した。その結果,7名の対象児全てについて,eye pointingを用いた要求行動の形成がなされた。 なお,上記の対象児のうち,1名について,既存の代替コミュニケーションシステムの適用として,目で打つワープロの適用を目指した指導への準備を継続して行っている。
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