研究課題/領域番号 |
08451064
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
新谷 恭明 九州大学, 教育学部, 教授 (10154402)
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研究分担者 |
植田 信広 九州大学, 法学部, 教授 (70125996)
荻野 喜弘 九州大学, 経済学部, 教授 (30160790)
折田 悦郎 九州大学, 文学部, 講師 (10177305)
有馬 学 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (80108612)
東定 宣昌 九州大学, 石炭研究資料センター, 教授 (90136565)
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キーワード | 旧制福岡高等学校 / 九州帝国大学 / 帝国大学総長 / 資料情報学 |
研究概要 |
本年度の研究目的は、前年度に行った九州帝国大学をはじめとする大学関係史料の調査・収集・整理とそれをふまえた研究活動に加え、旧制福岡高等学校関係史料の調査研究と大学と地域社会の関係を視覚的に捉える写真史料の調査研究とデータベースづくりであった。 近年大学史料室が受け入れた旧制福岡高等学校関係史料の中で、生徒の側から地域社会との関係史を記述している『福岡高等学校学而寮史』に着目した。この『福岡高等学校学而寮史』は昭和24年に旧制高等学校の廃止を期して生徒の手により編纂されたものである。第一編「学而寮正史」と第二編「思想史」からなるが、そのうち「学而寮正史」について厳密な校訂をふんだ上で翻刻した。また、写真史料のデータベースづくりについては前年度に仮目録化していたものを補訂し、『九州大学大学史料室所蔵写真目録-九州帝国大学時代-』としてまとめた。さらに大学史料室所蔵写真のうち、史料的価値の定まったものについてはCDに入力し、コンピューター画面から自由に検索できる「九州大学大学史料室所蔵写真検索システム」を構築した。こうしたシステムは大学史料としての写真史料の扱いに新しい可能性を示したものといえる。それから九州帝国大学の存在の社会的な影響力を示すものとして明治44年〜昭和20年8月に至る帝国大学時代の総長訓辞式辞を翻刻した。 さらに戦後の大学と地域社会を結ぶ問題を解明する研究の一環として九州帝国大学法文学部教育学講座から教育学部が生成される過程を検証した(報告書参照)。そのほか、新谷恭明「大学史料室の今」(『九州大学大学史料室ニュース』10)が、上記史料目録及び検索システムの意義について論じている。
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