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1997 年度 実績報告書

翼賛体制期の権力構造に関する基礎的研究-政策決定と地域統合の二側面から-

研究課題

研究課題/領域番号 08451076
研究機関九州大学

研究代表者

有馬 学  九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (80108612)

研究分担者 森山 優  静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (60295566)
キーワード新体制運動 / 大政翼賛会 / 国民統合 / 国民動員 / 大政翼賛会地方支部 / 国家総動員 / 戦時議会
研究概要

本研究は、日中戦争〜太平洋戦争期の日本を対象に、さまざまなレベルにおける政治的・社会的意志決定過程の特徴を、中央における政策(「国策」)決定過程と、地域社会の末端における国民統合のプロセスの二つの側面からとらえ、その総合をもって翼賛体制期の権力構造の特質を把握しようとするものである。本研究は、最終的には戦前と戦後を連続する権力モデルの構築と、政治社会史的手法の確立をめざすものであるが、当面、今回の研究においては、史料の収集と情報化を最重要課題とした。
成果としては、第一に、国立国会図書館憲政資料室および国立公文書館所蔵の大政翼賛会関係史料を可能な限り網羅的に収集した。これらについては一次的なデータベース化の作業を行った。第二に、本研究にとってより重要な課題として、当該期の地域統合に関わる未紹介史料の収集を行った。重要なものとしては、大政翼賛会田川支部関係史料(田川市立図書館蔵)、「安高文書」(福岡県芦屋町)、宮崎県庁文書がある。大政翼賛会田川支部関係史料は、全国的にも例の少ない大政翼賛会地方支部に関するまとまった史料群であり、また「安高文書」によって、翼賛会福岡支部機関誌等のこれまで未発見であった史料を確認することができた。さらに、宮崎県庁文書において、総動員関係ファイルに含まれる相当量の史料を収集することができた。宮崎県は日中戦争期以降、県議会における政党の解散、祖国振興隊なる組織の結成等、翼賛体制期の動員組織を先取りする政策が実施された点で注目に値する。これらの史料は、従来全く知られていなかったか、あるいは存在が知られるのみで本格的に利用されていなかったものである、これらの史料に依拠して、従来研究が進んでいない日中戦争期の地方における国民動員や、大政翼賛会地方支部の実態を実証的に解明する作業を継続して進めている。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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