研究課題
本研究は、持統天皇4年(690)年に始まり、伊勢神宮で20年に1度行われて61回を数える、「式年遷宮」の祭祀・行事を、その歴史・制度・祭儀・信仰・思想・文学等の諸方面から精細に位置づけ、またその変遷を明らかにすることを目的とした。そして、ひいては広く日本文化の中でしめる意義・特性等を明らかにすることを目標とした。あわせて、研究活動の情報化にこたえるために、パーソナル・コンピューターによるデータベース構築をはかってきた。3ヶ年の最終年度である本年度は、研究データの蓄積、研究会による研究活動等を踏まえて、研究代表者・分担者(10名)の各研究課題の具体的なとりまとめを主に進めた。なお、研究成果として次の8編の論文と2編の資料がまとまった。【論 文】 1.遷宮小考二題 -朝家の大営、古殿の措置-/牟禮 仁 2.遷宮における上棟祭/安江和宣 3.遷宮祝詞の歴史/本澤雅史 4.杵築祭歌謡の研究/大島信生 5.表されたものと、秘められたもの/奥野純一 6.近世神宮祠官の遷宮観/伴五十嗣郎 7.近代における神宮の改革と式年遷宮/新田均 8.三重県下における地域神社の式年造替遷宮の実態調査 /櫻井治男・斎藤平【資 料】 1.第六十一回神宮式年遷宮諸祭・関係行事解説並記録写真(ー)〜(六)2.『両宮遷宮旧式祭典図』(図・解題対照)また、パーソナル・コンピューターによるデータベース構築は、画像(式年遷宮写真)、テキスト(研究文献-遷宮関係・伊勢神宮関係)について継続した。なお、基礎資料の収集として、三重県内における遷宮行事の実態調査(800社を対象)を行ない、まとめた。
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