研究課題/領域番号 |
08451079
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研究機関 | 京都橘女子大学 |
研究代表者 |
朝尾 直弘 京都橘女子大学, 文学部, 教授 (20025018)
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研究分担者 |
村田 路人 大阪大学, 文学部, 助教授 (40144414)
横田 冬彦 京都橘女子大学, 文学部, 教授 (70166883)
細川 涼一 京都橘女子大学, 文学部, 教授 (20219190)
松尾 尊よし 京都橘女子大学, 文学部, 教授 (10027526)
田端 泰子 京都橘女子大学, 文学部, 教授 (20088016)
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キーワード | 禁裏御料 / 郷士制度 / 勤王隊 / 禁裏警護 / 京都町奉行所 / 御大典 / 山科郷 / 十津川郷 |
研究概要 |
昨年度に引き続いて史料収集・調査を行うとともに、研究会・史料翻刻を進めた。 (1)昨年度の京都市歴史資料館架蔵写真版の写真複製に引き続きおこなうとともに(沢野井家・吉井家文書など)、山科郷士史料として最も重要である、郷士惣頭比留田家の所蔵古文書約2000点を京都橘女子大学に寄託していただき、整理・調査に着手した(これまでに知られていなかったものも数百点存在する)。その成果の一部として、11月1-12日に「古文書にみる江戸時代」と題する展示を本学においておこない、解説書も作成した。同家文書については、史料集の刊行をめざして翻刻を行いつつある。 (2)昨年度に引き続いて、禁裏関係および京都周辺の禁裏関係御料村落の史料収集につとめた。また近代に入って、京都で行われた御大典関係史料も収集した。 (3)山科郷とともに畿内の郷士制度を発達させ、幕末に勤王隊を組織することになる大和の十津川郷へ調査をおこなった。現地で保存されていた十津川宝蔵文書を直接調査できたとともに、関連する天誅組関連史料も収集し、山科郷士との成立過程・その性格・幕末における政治的位置などの相違について、多くの知見を得ることができた。 (4)比留田家文書の分析を通じて、江戸時代の朝廷と郷士制度との関係が警護役や人足役、公事物納入等かなり詳細に明らかになってきたほか、京都町奉行のもとにあって京郊村落を支配した雑色制度、および近代に入ってからの山科郷士制度の解体と明治天皇崩御から大正天皇御大典の過程での彼らの活動についての研究成果を得た。また京都周辺地域がもつ歴史的特質についてもさまざまな側面からあきらかになった。 (5)本研究と並行して、山科・宇治地域において、江戸時代に郷士制度をもった地区とそうでない地区との相違について民俗調査をおこなってきたが、その成果を刊行した。
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