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研究者3名は総括責任者林を中心に連絡を密にとりつつ、前年度の研究を引きつぎつつ、本年度の目標に向かい研究を進めた。その研究実績は次の通りである。
a中古・中世期の法華経音義書等の基礎的調査を各人で手分けして行った。今年度は東京、京都等の図書館、あるいは山形などに赴き実行した。
b筑波大学所蔵の関連図書、また従前より私的に購入した図書あるいは複写について同様の調査を行った。
以上の基礎的作業を行う一方、次のような分析・考察を行った。
c調査資料について漢音の有無、程度、さらには分布等について、研究目的との関連においてデータ収集とコンピュータ処理とを行った。
d漢音混入の背景を明らかにすべく、法華経読誦に関わる上代以降中古までの文化史的、仏教史的側面の解明を具体的に始めた。すなわち、関係論文・著書を探究し、音義書等との関連を模索した。
e法華経音義書中の漢字音-漢音及び呉音-のデータベース作成のためのプログラムを組み実験を行った。
上の内、abについては、当初の目的達成に十分な漢音混入の事実及びデータの存在とを確認することができた。これは来年度における研究の集大成に向け大きな成果であった。eは小倉がほぼおおよそのプログラミングの作成と試行とを終えつつある。これは最終目的の一つであるデータベース作成について、その達成の可能性が大であることを示している。
以上、次年最終年度へ向け本年度も満足のいく実績をあげることができた。
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