研究概要 |
本年度は,本研究3年計画の最終年度なので全体のとりまとめに力を注いだが,その一方においては,さらに資料の発掘や各地社寺・図書館等におもむき確認の作業等を行った。 1 各種法華経音義書における漢音混入の実態をさらに調査整理を進め,ほぼ目標に沿った程度にまで,その密度をあげることができた。 2 呉音・漢音の対比は,声母・韻母のみならず,声調にまで及ぶことが,本研究によって再認識されたが,漢音混入の情況を的確に,しかも迅速に判定する指標を追究した。その結果,声母としては鼻音ものを,韻母としては,-α系をそれぞれ中心として整理するものがもっとも有効であるという結論を得た。 3 分担者小倉を中心として,漢音混入例の整理とその実態の報告とを行うべく,すでに小倉のもとで作ってあったデータベースからデータを前記2)にのっとりつつ抽出し,国内外の研究者にそれを公表すべくとりまとめを行った。なお,データベースは,すでに小倉名義でインターネットにのせてある。
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