本研究で得られた成果は、おおよそ次のとおりである。 1 各種法華経音義書において、漢音混入のものの特定について大きく貢献したこと。今日まで断片的に報告されていた。この資料を総合的、包括的に取り扱ったこと。 2 呉音・漢音の対比を声母・韻母のみならず声調についても行い、両音の全体的な対応関係把握できたこと。そして、その上に立って上記混入の実態を把握できたこと。 3 各種法華経音義書における漢音混入の実態調査をし、その結果を学会に報告できること。すなわち、すでにそのデータはインターネット上に公開されていること。 なお、本研究の延長線において、古代の漢字音についても言及できたことも成果の1つである。
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