研究課題/領域番号 |
08451099
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
成田 篤彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30017363)
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研究分担者 |
木畑 洋一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10012501)
丹治 愛 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90133686)
山本 史郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00145765)
草光 俊雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90225136)
高田 康成 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10116056)
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キーワード | イギリス像 / オリエンタリズム / 帝国 / 統合ヨーロッパ / 外国恐怖症 |
研究概要 |
中世から20世紀にいたるイギリスのナショナル・アイデンティティの変容について、(サイ-ドの『オリエンタリズム』などの研究を中心にした)昨年度の理論的研究をふまえつつ、本年度はより具体的な研究に移行した。すなわち、それぞれの研究メンバーが来年度の研究とりまとめにむけて、イギリスのナショナル・アイデンティティを論じるための独創的な論点の発見に努めながら、第一次ならびに第二次資料の収集と、その読解やノート作りなどの作業を進めた。 論文や単著のかたちでの具体的成果としては、第二次世界大戦後の大英帝国の解体と帝国意識の変容を跡づけた木畑の『帝国のたそがれ--冷戦下のイギリスとアジア』、中世ヨーロッパと20世紀末の統合ヨーロッパを論じつつ、そのなかでのイギリスの地位と英文学研究のあり方を論じた高田の「統合ヨーロッパと英文学」、ストーカーの『ドラキュラ』読解をつうじて19世紀末イギリスのナショナル・アイデンティティと外国恐怖症の関係を論じた丹治の『ドラキュラの世紀末--ヴィクトリア朝イギリスの外国恐怖症の文化研究』、第一次世界大戦に出征したジョージ朝詩人の評伝的研究をとおして1910年代のイギリス像を探求した草光の『明け方のホルン--西部戦線と英国詩人』などなど。 個人としての研究のみならず、グループとしてもわれわれの研究に示唆をあたえる可能性のある海外からの研究者(ジョン・マッケンジ-教授、ジョン・ダ-ウィン教授など)の講演会を数度にわたって組織する一方で、上記にあげた研究メンバーの具体的成果を講評する合評会を中心にして、定期の研究会をもち、相互の問題意識の明確化と研究主題の多様化をはかった。
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