研究課題/領域番号 |
08452007
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐々木 毅 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (90009803)
|
研究分担者 |
福元 健太郎 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助手 (50272414)
中北 浩爾 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助手 (30272412)
谷口 将紀 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助教授 (60251435)
成田 憲彦 駿河台大学, 法学部, 教授 (30275929)
|
キーワード | 政治改革 / 選挙制度 / 政治資金 / 政権交代 |
研究概要 |
1 資料収集について、十数名の政治家から、政治改革に関する1次資料を収拾・複写し、暫定的な目的を作成した。また海部内閣期から細川内閣期までの、主として政治改革に関わる政治史のデータベースを作成した。 2 実証分析については、日本班、比較班とも、毎月研究会を開いて、順次経過報告を積み重ねた。また隔月で全体会合の機会を持ち、政治改革の理論的分析について議論した。 3 以上から、次のような知見が新たに得られた。 (1)政治主体については、政党の所属議員に対する拘束力が弛緩した結果、様々な政治集団が(時に超党派的に)形成された。それらの結集軸は多様であり、政治社会は従来なかった多元的様相を呈し、政治に大きな可能性を開いた。また政治団体、労働組合、学者あるいはこれらを統合した各種の民間団体が、研究を重ね、積極的に発言し、現実の政治過程に少なからぬ影響力を持ったことも、大きな特徴であった。 (2)政策的には、政治改革の動きは、主として政治資金と選挙制度改革をめぐるものであったが、同時並行的に、行政改革、地方分権、規制緩和といった問題が連動していた。これは政治改革が、政策の選択肢が狭まる一方で懸案は全く解決しないという政治の閉塞状況を、一旦政治の根本的な仕組みを作り替えることから変えていこうとするものであったことを示すものである。 (3)1993年の政権交代をはさんで断絶と連続とが指摘できる。断絶とは、政策過程の参入者の拡大・変質、政治手続や行政府の対応の変化である。連続とは、例えば族議員のような機能的代替物の残存、あるいは、1990年代当初から国会運営などにおいて、後の連立政権期に通ずる政治手法の萌芽が芽生えていたこと、などである。
|