研究概要 |
今年度は初年度につき.各研究分担者は文献及び資料の収集と検討を中心に行った.同時に,各研究分担者はそれぞれの研究の視点とモデル構築の試みを行っている。また全体的には,アルバイトを使って関連資料の電子化(重要資料・年表)を試みている. 具体的には、石井は戦後日米関係の変動過程を明らかにするべく,1950年代末から60年代初期にかけての日米関係の史的展開につき資料の編集等を試みつつ分析を進めている。 大芝は.現在国連の活動が,冷戦期においてどのように変容し,冷戦後にその受容局面がどのように現出したのかについて,理論的分析を試みている。 井上は.日本の国連加盟について.アメリカおよびイギリスの資料にもあたりながら.単に日本の外交政策のみならず.国際政治環境全般にまで視野を広げた研究を進めている. 田中は.冷戦のみならず,長期的なタイム・スパンの中で,国際政治の構造変動と日本外交の相互連関性に注目し.次年度における日本と国連との関係の推移分析の前提作業として,大局的な歴史解釈を試みている。 なお,各研究分担者は.一橋大学内に於いてアド・ホックな研究会合を数回持ち,研究の進行状況を確認しあった.そして,年度末に於いては.日本の安全保障における国連の位置に深くかかわる日米安保条約の成立過程についての研究者を招き.関係分野の研究者も招いた上で,研究会を開催した.
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