研究課題/領域番号 |
08452009
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
六鹿 茂夫 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (10248817)
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研究分担者 |
小久保 康之 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教授 (60221959)
宮田 律 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教授 (20200181)
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キーワード | 東欧体制変動 / NATO / 政治的民主化 / 市場経済化 / イスラム政治運動 / 地中海地域 / EU / アムステルダム条約 |
研究概要 |
六鹿は、東欧革命以降の東欧諸国の変動について、特にル-マニアに焦点を当てた事例研究を行い、東欧体制変動の要である政治的民主化、市場経済化、欧州統合の促進要因と、それらの相互関連について研究を進めた。なかでも、政治的民主化は短期間のうちに達成し得ること、またその結果国際的評価も急激に改善されて、欧州統合も加速化されるという図式が描けた。その際、NATO拡大なとの欧州国際政治の要因が民主化の促進要因として強力に作用していたことも解明した。しかし、経済的市場化の過程は、リーダーシップの意志のみでは不可能であり、長期間要することもつかめた。 宮田は、地中海圏の政治変動については、特にアルジェリア、エジプト、トルコについてイスラム政治運動が台頭する社会・経済的要因、また政治腐敗や民主主義の欠如など政治的要因もイスラム政治運動の成長をもたらしたり、過激なイスラム主義の活動を招いていることが理解、把握できた。また、こうした地中海地域のイスラム諸国の政治的不安定に対するEU側の政治的・経済的関与についても解明を行った。 小久保は、1997年10月に正式調印されたEUのアムステルダム条約の合意形成過程を追い、中・東欧および地中海諸国の新たな加盟を念頭に置いたEU内部の機構改革問題が難航し、結局先送りとなってしまった経緯を明らかにした。さらに、欧州委員会が1997年7月に提出したEUの中期活動指針である「アジェンダ2000」を分析し、EUへの加盟交渉の第1陣に、キプロスおよび中・東欧の5カ国が推薦され、それら諸国との加盟交渉が1998年3月末より開始されると同時に、EUの内部改革の緊急性に対するEUの取り組みについて分析を行った。
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