研究課題/領域番号 |
08453006
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中野 安 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (30047120)
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研究分担者 |
忽那 憲治 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (00275273)
川端 望 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (20244650)
榎本 里司 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (80221117)
明石 芳彦 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (00150970)
福田 義孝 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (30047261)
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キーワード | 年俸制 / 職能給 / 二重労働市場 / 生産システム / 雇用機会 / ベンチャー企業 / 新規店頭公開企業 / 企業の社会性 |
研究概要 |
本研究では、日本企業が新しい社会的・経済的価値を創造していく上で踏まえておくべき企業行動規範、労働環境の高度化および雇用機会の創出機能を中心に多角的な検討を加えた。具体的には以下の点が析出された。(1)生産システム再編の要因として競争戦略の役割が高まるなか、生産システムの安定に必要な労働技能をどう「技術化」し、また継承していくのかという労働組織・技能の機能維持に関わる課題が戦略的なリストラの中で後景におしやられている。(2)年俸制適用管理職の意識変化を追跡した結果、日本における年俸制の特徴として、公平な業績評価の困難性、目標管理制度との連動のあいまいさ、職能給との部分的融合などが明らかとなった。(3)現在展開している小売ディスカウント革命の下で小売業の雇用構造と労働条件がいかに変化しているかを、小売業の雇用センター化・女性化・パートタイマー化という観点から日米英の実状を比較した。(4)マクロ雇用への貢献面では事業所の開廃業とともにその拡大と縮小を考慮すべきであるが、アンケート結果に基づくベンチャー企業の場合、創業後4ないし6年後でも従業員数の拡大倍率はめざましい。(5)設立後の経過年数の長さや資金調達の目的などに起因して、新規店頭公開企業の成長率は公開後一様に大きく落ち込んでおり、その成長性じたいに疑念が認められる。(6)企業は社会の経済的剰余を最大に取得し、科学技術の知的成果を多大に生産するなど、社会的影響は甚大である。ゆえに、企業はその行動基準を改めて社会的に規定されている。
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