研究課題/領域番号 |
08453012
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
倉澤 資成 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (40018057)
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研究分担者 |
森田 洋 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (70239664)
村瀬 英彰 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (40239520)
秋山 太郎 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (40167854)
矢野 誠 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (30191175)
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キーワード | 金利先物 / 転換社債 / オプション / ボラティリティ / dynamic Optimigation / 市場効率性 |
研究概要 |
本年度は、以下の3点を中心に総合的・補完的に研究を進め、派生証券取引の拡大が経済に与える影響について多角的に考察するための基盤づくりの成果を挙げることに焦点を合わせた。(1)派生証券の価格形成に関わる従来の理論的蓄積を統合的に整理すること、およびその展開をめざした理論的分析、(2)それら理論的分析を基にした日本の派生証券市場を対象とする現実データの実証分析、(3)金融機関などへの聞き取りを基にした市場参加者の意思決定や派生証券取引、新金融商品開発の「実態調査」、を進めた。とりわけ、金利先物市場における価格形成の実態およびその効率性の評価、資産価格形成理論に対する派生証券理論の実証的な応用において論文をとりまとめ、得られた新しい知見を発表した。また、転換社債を対象としてその発行がどのような要因を基礎になされ、一方その発行は、金融市場にいかなるリパ-カッションをもたらすのかについて実証的分析を行った。この分析は、派生証券の存在が金融市場に与えるインパクトを評価する上でその情報構造面の特質に着目したものであり、金融市場の効率性と派生証券の存在の相互関連を考察していく上での出発点の1つとなるものである。さらに、以上の実証分析と並行して、派生証券分析の技術的基礎となる動学的最適化手法の開発や派生証券の市場モデルの構築にも一定の進捗をみつつある現状である。最後の点については、今後シミュレーッション分析などの方法を取り入れ、理論の現実応用可能性についてより詳細な検討を行っていく予定である。
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