研究課題/領域番号 |
08453020
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研究機関 | 福山平成大学 |
研究代表者 |
田中 三樹 福山平成大学, 経営学部, 教授 (40171756)
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研究分担者 |
福井 正康 福山平成大学, 経営学部, 助教授 (20199186)
矢倉 伸太郎 奈良産業大学, 経済学部, 教授 (90031393)
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キーワード | 所有・支配・経営 / 紡績会社 / 経営史的研究 / 経営データ |
研究概要 |
本年度は当初の計画に従って、戦後8社および戦前については先の各社の歴史的系譜に連なる主要紡績会社を対象として、明治から現代までの100有余年期間にわたる、(1)「株式所有構造」、(2)「トップ・マネジメント組織」及び、(3)「財務」に関するデータの調査・収集を行い、その統計化を行った。その内容を示せば、以下の通りである。 (1)「株式所有構造」:主体別(個人、金融、証券、その他法人、外国人、政府)株主数・比率、主体別所有株式数・比率、大株主(トップ・テン株主)・所有株式数・比率 (2)「トップ・マネジメント組織」:役員名、住所、生年月日、役職名、事務・技術系別、入社年次・肩書き、天下り等、出身校、卒業年次、役員就任年次・年齢、役員退任年次・年齢、所有株式数 (3)「財務」:利益処分(当期未処分利益、利益準備金、配当金、役員賞与金、任意積立金、次期繰越利益金) これらを主たるデータとし、「企業の所有・支配・経営」に関する分析に着手した。中心となる論点は、「所有と経営の分離」、「専門経営者の進出と内部昇進の実態」そして「コ-ポレート・ガバナンス」などである。 例えば、戦後の「株式所有構造」に関しては、全上場企業に見られる全般的傾向と比較して、次のような特徴が見られた。主体別株式所有比率では、(イ)個人所有比率がかなり高いこと、(ロ)法人については、金融機関の所有比率は高く、事業法人が非常に低いことである。こういった諸点を明らかにするには、個人および法人の株主をより具体的に観察すること、また株式所有の日本的特徴である「相互特合」の状況を調査することが必要である。 戦前に関する分析は次年度の課題であるが、戦後との関連から、「株主の法人化」、「大株主と役員の異同」さらに「株式の相互持合」といった論点が重要である。
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